神保町の硯と古美術の店「萬羽軒」――18歳で出会った端渓の硯に惚れて50年【ELLIの街探訪 第9回】

神保町の硯と古美術の店「萬羽軒」――18歳で出会った端渓の硯に惚れて50年

すずらん通りの脇道にある、硯と古美術の専門店「萬羽軒」。主人の萬羽啓吾さんは18歳のとき新潟・出雲崎で端渓の水巌の硯に出会い、37歳で脱サラして硯を買い集めてきました。良寛の研究者・目利きとしても知られる店主を、フォトグラファーのELLIさんが訪ね、実際に墨をすらせてもらいました。(『本の街』2026年2月号「フォトグラファーELLIの街探訪」第9回)

萬羽軒主人の萬羽啓吾さん
萬羽軒主人の萬羽(まんば)啓吾さん(写真・伊藤恵理、以下同)

服でも時計でも、本物しか持ちたくない。

「神保町にデビューして半年余り」のフォトグラファーのELLIさんの探訪記。今回は、神田神保町の硯と古美術の専門店「萬羽軒」の主人、萬羽(まんば)啓吾さんを取材しました。

目次

ホンモノの硯と書に惚れて50年

お店のこと――すずらん通りの脇道の名店

萬羽軒の店構え
すずらん通りの脇道にある、知る人ぞ知る名店
硯が並ぶ陳列棚
多くの硯が並ぶ陳列棚
良寛直筆の作品
良寛直筆の作品が展示された店内
店内に飾られた扇面
店内に飾られた書

店の宝――端渓の硯と、墨をする体験

美しいデザインの硯
店内には美しいデザインの硯が豊富に陳列されている
彫刻の施された硯
精緻な彫りの硯
蓋付きの硯
蓋付きの硯
硯で墨をする
実際に硯で墨をすらせていただいた

なんとなめらかで柔らかいのだろう。味わったことのない感触だ。筆者も小学校時代毎週習字で墨をすった経験があるが、まるで別物だった。

店主のこと――18歳で見た一つの硯

生まれ育った新潟で高校を出たばかりの18歳のころ、日本海に面した出雲崎という町で、ある硯を目にした瞬間、とてつもなく大きな感銘を受けた。

それは中国広東省の端渓(たんけい)の中でも最高峰とされる水巌(すいがん)の石を使った、貴重な硯でした。高校卒業後に上京し、37歳で脱サラ。食うや食わずの暮らしでも銀行から借金をして硯を買い集め、中国の骨董屋も回りました。以来50年余り、萬羽さんは良寛をはじめとする書の研究者・目利きとしても知られる存在になりました。

萬羽啓吾さんの良寛についての自著
江戸時代の禅僧であり書家・歌人の良寛についての自著

美しいもの、最高に質の良いものを追い求める姿は、ロックンローラーのように自由で純粋で、カッコ良いのだ。

お店データ

▶お店のページ(地図・関連記事)

文房古玩 萬羽軒
東京都千代田区神田神保町1-27
電話 03-3295-7116
定休日 水曜
最寄駅 神保町駅
▶Googleマップで見る
※住所・電話・定休日は『本の街』加盟店一覧(2026年9月号)より。営業時間などは変わることがあります。お出かけ前にお店にご確認ください。

フォトグラファーELLIの街探訪 連載一覧

▶連載ページで全回の一覧と、ELLIさんが訪ねた店の地図を見る

◀前回:第8回 豆香房
▶次回:第10回 浅野屋

第1回 ランチョン
第2回 アディロンダック・カフェ
第3回 はせ部
第4回 銘茶豊田園&蕎麦処大宣
第5回 @ワンダーJG
第6回 ブックハウスカフェ
第7回 喫茶穂高
第8回 豆香房
第9回 萬羽軒(この記事)
第10回 浅野屋
第11回 山形屋紙店
第12回 喫茶プペ
第13回 お茶の水ホテル昇龍館
第14回 神田淡平
第15回 大喜靴店
第16回 さかいやスポーツ
第17回 富士レコード社

伊藤恵理(いとう・えり/ELLI)
フォトグラファー。『本の街』で「フォトグラファーELLIの街探訪」を連載し、神田・御茶ノ水・神保町の店を毎月訪ね歩いている。


この記事は、神田・御茶ノ水・神保町の地域交流サロン誌『本の街』2026年2月号(Vol.10)掲載「フォトグラファーELLIの街探訪」第9回(写真と文・伊藤恵理)のご紹介です。

▶【バックナンバー】『本の街』2026年2月号PDFはこちら

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▶『本の街』のnoteでは、連載のバックナンバーを順次公開しています

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この記事を書いた人

神田・御茶ノ水・神保町の地域交流サロン誌『本の街』編集部。1980年創刊。毎月10日発行、加盟店を中心に60か所以上で無料配布しています。

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