「ゾンビ物みたい」――女子高生がヒッチコック『鳥』に見つけた、新しい怖さ【カフェと本棚のあるミニシアター 第2回】

「ゾンビ物みたい」――女子高生がヒッチコック『鳥』に見つけた、新しい怖さ

「ゾンビ物みたい」「吸血鬼にも似てる」——今どきの女子高生がダフネ・デュ・モーリアの原作「鳥」に見つけた感想から、ヒッチコックの名作を「エコ・ホラー」として読み直す。映像制作者でミステリー研究家の小山正さんの連載第二回です。(『本の街』2026年6月号「カフェと本棚のあるミニシアター」)

名作とはいえ、古い作品です。「なぜ今『鳥』なのか?」という疑問が湧いても不思議ではない――記事はそんな問いから始まります。

女子高生が『鳥』に見たもの

『バーナード嬢曰く。』第八巻
『バーナード嬢曰く。』第八巻(施川ユウキ著・一迅社刊)

小ネタとして紹介されるのが、読書好きの高校生たちが古今東西の文学を語り合うコミック『バーナード嬢曰く。』第八巻(施川ユウキ著・一迅社刊・2026年)。登場人物たちが、映画『鳥』の原作小説であるダフネ・デュ・モーリアの中篇「鳥」を読み、嬉々として感想を述べる場面があるといいます。

「ゾンビ物みたい」「吸血鬼にも似てる」

家族たちが隠れる家のドアや窓に鳥の大群が体当たりし、大量の鳥の死体が凄惨に描かれ、鳥が吸血鬼のように夜になると襲ってくる――確かにゾンビ小説か吸血鬼物だ、と著者は頷きます。漫画とはいえ今時の女子高生に大ウケなのだから、デュ・モーリアの小説には時空を越える普遍性があるのだろう、と。

「エコ・ホラー」という視点

原作は、鳥が人間を襲撃する理由を記していません。ヒッチコックの映画版はいかにもありそうな話に脚色されているものの、やはり襲撃理由や背景は語られない。だからこそ不気味なのだ、と著者は言います。

『Horror Literature Through History』
『Horror Literature Through History』(マット・カルダン編著・米グリーンプレス社刊)

そして記事は、その怖さを現代的に読み直す視点として、『Horror Literature Through History: An Encyclopedia of the Stories That Speak to Our Deepest Fears』(マット・カルダン編著・米グリーンプレス社刊・2017年)を取り上げます。この事典では映画『鳥』が「エコ・ホラー」の項目に位置づけられている――環境破壊への警鐘として動物たちが人間に敵対する物語群の一作として。

レイチェル・カーソン『沈黙の春』
レイチェル・カーソン『沈黙の春』(新潮文庫)

レイチェル・カーソン『沈黙の春』と並べて『鳥』を観るとき、まったく新しい視界がひらける。記事の後半は、その読み替えの面白さへと展開していきます。

記事全文は、6月号PDFでご覧いただけます。

小山正(おやま・ただし)
映像制作者・ミステリー研究家。ミステリーと映画の交差する領域について執筆。『本の街』で「カフェと本棚のあるミニシアター」を連載中。


この記事は、神田・御茶ノ水・神保町の地域交流サロン誌『本の街』2026年6月号(Vol.14)掲載、小山正さんの連載「カフェと本棚のあるミニシアター」第二回のご紹介です。

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この記事を書いた人

神田・御茶ノ水・神保町の地域交流サロン誌『本の街』編集部。1980年創刊。毎月10日発行、加盟店を中心に60か所以上で無料配布しています。

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